【第5章】
消毒薬とは、化学的に言えば、ある特定のタンパク質を破壊(変性)する作用を持つ化合物である。
同種のものとして、抗生物質は、主に細菌の細胞壁を破壊・生成阻害する(※因みに昨今有名になった抗ウイルス薬のタミフルは、ウイルスが増殖する際に用いる酵素の働きを阻害する)。細胞壁という組織は人間の細胞にはないため、抗生物質で人間の細胞は壊されない。しかし、腸内の善玉菌は抗生物質で破壊される(※だから大抵の場合、ビオフェルミンなどの整腸剤が出される)。
一方で、消毒薬は、細胞膜のタンパク質を破壊する。細菌は細胞壁の内側に細胞膜がある。そしてその細胞壁は、脂溶性物質は通過できるが、水溶性物質は通過できない。消毒薬の殆どは水溶性のため、界面活性剤の力を借りて細胞壁を突破し、細胞膜を破壊する。しかし、その細菌が付着している人間の細胞は、細胞壁がなく細胞膜がむきだしだ。つまり、消毒薬からすれば、細胞壁に守られた細菌より細胞膜むきだしの人の細胞の方が破壊しやすい、ということである。
ゆえに、消毒薬は傷口の人体組織も破壊し傷を深くする。
その上で、更に、アレルギーや副作用の問題がある。クロルヘキシジン系消毒薬(マキロンなど)は、稀にアナフィラキシーショックも起こす。
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